24時間営業の見直しで揺れるコンビニ業界。セブンイレブンジャパンは4日、永松文彦副社長を8日付けで次期社長とする交代人事を発表した。今回の会見で永松氏は、「経営者が直接コミュニケーションすることが重要」と話したが、これを聞いたコンビニオーナーの反応は冷ややかだ。
同日放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)は、加盟店オーナーを取材した。東京・八王子市で40年あまりセブンのフランチャイズ店を経営してきたオーナーのMさんは、
「個別にコミュニケーションを、など抽象的な言葉を言われても、現実にどういう方向に持って行くか言わないと判断のしようがない」
などと不満を口にしていた。(文:okei)

「労働時間が決められない個人事業主」の矛盾

オーナーをいら立たせるのは、店舗が赤字でも本部は利益を確保できるというやり方だ。加盟店は粗利の約半分(店舗によって率は異なる)をセブン本部に納めているため、夜間は人件費で赤字になってしまう。Mさんは、
「1時間あたり5人のお客さんのために、なんで人間がじっと店番をしなくてはいけないのか」
「一個でも売れればチャージ(利益)が取れる本部と、売るために人件費をかけなければならない店との利益相反です」
と語り、冷静に考えて夜中に店を開ける必要はないと訴える。
「はっきり言わせて頂ければ、24時間体制のビジネスモデル自体が限界にきている。何らかの形でビジネスモデルを変革していかないと、この問題は後を引くと思います」
しかし経営陣は会見で、「長年培ってきたブランド毀損するリスクがある」と、24時間営業を基本的に貫く姿勢をみせた。「加盟店オーナーから時短営業の申し出があるのは96店で、全体の約0.5%」で、実際に24時間営業をやめたい店はわずかだという。
これに解説キャスターの山川龍雄氏が、「わずかならば選択制にすればいい」と会見場で問い詰めると、井阪隆一社長は「私たちの収益性というよりは、加盟店の収益性だと思う。それで生活されているので」と、あくまで加盟店オーナーを守る立場を強調した。
オーナーの利益を守るためならば、オーナーの裁量権をもう少し認めるべきではないのか。山川氏は後に、加盟店オーナーは個人事業主だが、「営業時間の裁量権を与えられていない人が、独立した経営者と言えますか?」と矛盾を非難している。
夜間の人手不足を補うためオーナー自らが連続夜勤するケースもあり、働き方がブラック企業の末端労働者と変わらないと感じてしまう。

「夜間の時給アップの分は本部が出せばいいのでは」という声も

問題は、人手不足や24時間営業だけではない。セブンイレブンはこれまで同じ商圏に新店舗を次々に増やし拡大してきた。経済が成長続きの時代ならそれでもよかったが、結局客やスタッフの奪い合いで過酷な経営に追い込まれる加盟店が出ているのだ。前出のオーナー・Mさんは、
「本部だけかあんな馬鹿みたいに利益を出して、加盟店がこんなに苦しんでいる。おかしくないですか、ということ。ようするに公正な所得の分配にしてほしい」
と番組で訴えていた。
「24時間営業」はネットを中心に世論でも疑問視されている。議論の発端となった大阪の加盟店オーナーは先月、人手不足を理由に夜間営業を短縮しセブン本部から契約違反と指摘され物議を醸した。その後、この加盟店は契約解除も違約金請求もしないと発表があった。
ツイッターでは「全店が24時間営業じゃなくても全然だOKだと思う」「夜間の時給アップの分は本部が出せばいいのでは」といった意見も上がっている。